―未来志向で挑む 2035年への成長ビジョン―
2025年度 経営計画発表会 レポート

春の訪れも近づいた2025年3月22日、札幌市中央区北8西14にある『エア・ウォーターの森』ホールにて、三和物流株式会社 2025年度 経営計画発表会が行われた。
この日、日頃は顔を合わせることのない各事業部の従業員同士が一同に集う機会となりました。約197名の従業員のうち、現場の対応や担当業務の都合により参加できない従業員を除き90席の会場はほぼ埋まった。
1年の方針を発表・共有する重要な節目。2025年現在、札幌のオフィスビルのなかでも真新しく先進的な機能を備えたオープンイノベーション施設として知られる『エア・ウォーターの森』にて行われるのは、自社の未来を語る場としても象徴的と言える。
「小さなイノベーションのくり返しが未来を拓く」

登壇した末光は一言挨拶を呼びかけると、まだ固い雰囲気で返ってきた返事を受けて「硬いね、ちょっとお酒が足りない?」と、会場を和ませた。「いつも社員が揃うのは忘年会などお酒の場が主でしたが、今回はお酒のない席で真剣に話します」と続けた。
将来はこんな素敵なオフィスで働けるようにしたいねと、オフィスの進化に触れながら「今回の発表会の目的は、三和物流サービスとは、どんな会社なのか、きちんと理解する、自分が担当している事業部はどんな事業をしているのか、加えて他の事業部門が何をしているか、というところまで理解してほしい」と会社全体と各部門への理解を深め合うことを促した。

続いて10年後の2035年を見据えた長期成長ビジョンについて、人口動態やテクノロジーの進化を示しながら、事業成長の機会、事業部間の連携、企業価値を生み出す必要性を語る。
運送事業を主力に多角化経営にのりだしたことで成長してきた業績の変遷を、図表を用いて社業を振り返る一方、利益の追求にはまだまだ課題があるとした。
大きくなってゆく組織のあり方と、変化に応じて戦略立案と実行を重ねる重要性を説き、「小さなイノベーション、自分でできることの工夫を繰り返していくことは、企業の付加価値をどう高めていくか、につながる」と、事業部間の連携が自分たちの利益を生み出すことにつながると語った。
事業成長における3つの軸『バリューチェーン・ライフステージ・エリア展開』を示し、現在のグループ全体の売上から1.7倍の成長を継続することを目標に、2035年には100億円の売上規模を目指したいと締めくくった。
事業部門の方針発表(要点)
レントオール事業部
(太田センター長・営業マネージャー神原)


かつては規模も小さく他社に譲渡しようかという時期もあったが、その状態から引き受けて伸ばし続けて今がある。イベントスタッフ運営を担う会社が加わったことで、受託幅が広がり、付加価値も高まった。目標達成のために東京進出も必要。ローダー(大型テント)の提案と部材を拡充させ提供価値の増大を目指す。
レントオール事業部 函館ステーション
(加藤センター長)

開所して年数は浅い分、道南地域を開拓したい。地域に寄り添い、お客様との距離を縮める。イベント運営、用品レンタル、ベビー用品など、札幌とも連携して積極的に展開してゆく。
物流部門
(青山常務・関部長)


業績インパクトは物流業界の法令改正による影響も大きいが、労務環境の変化、燃料費をはじめとする物流経費の上昇などの外況に甘んずることなく、自社の利益をどう確保してゆくか、配車効率化や、顧客への働きかけに務める。強みと特徴を明確にしてゆく。
物流部門 日豊運輸株式会社
(飛谷)

今年創業60周年を迎える。長沼町における事業展開や貢献度を紹介。幹部中堅社員の高齢化が進む中、若手の人材確保に苦慮してはいるが、状況を打破すべく業務の信頼・安心・収益力の向上に務め、地元地域に貢献する。
管理部門
(甲谷)

健康に働くために、セルフマネジメントの重要性について説明。新たに導入した、心身の記録をとるアプリケーションを紹介。従業員みんなが、良い環境で働けるようにサポートするのが私達の役割。
ダスキン レントオール札幌桑園ステーション
(高畠店長・佐藤・永森)

人口減少社会に向かうなかで、幼児への1人あたりの費用と価値設定が増大している。安価より品質を重視する層への転換を図る。顧客のよりどころになるよう、安心できる接客に努め、札幌オンリーワンを目指す。自治体の子育て支援施策を2自治体と契約しているがこれも積極的に広げたい。
ダスキン 札幌三和サービスマスター
(祐川マネージャー・越智・中)


ビジネスサービスは若干の成長傾向、ホームサービスはほぼ横ばい、サービスマスターは成長傾向にある。成長見込みの理由は、紹介施策としてインセンティブを導入したこと。働きさんの新たな動機づけに加え、コミュニケーションも活発になった。
ビルメン事業部ニセコ営業所
(長谷川)

ニセコエリア内のコンドミニアム方ホテル清掃事業部として、2シーズン目の若い部署ではあるが、外国籍従業員雇用を中心に、現場スタッフとの円滑なコミュニケーション、業務内容の徹底、コスト管理に努めている。ニセコの需要期はまだ10年以上有ると思うが、そこに留まらず、道内他地域、道外のリゾートホテルへもサービスを拡大したい。
ダスキン ヘルスレント事業部
(ロジ マネージャー長田・営業マネージャー渋谷・AE マネージャー岸)



重点施策として、訪問強化・知名度向上・関係性の強化につとめる。新規利用者増のため既存ケアマネージャーへの接触頻度を高めると同時に、新規ケアマネージャーとの機会も増やす。AE(アカウントエグゼクティブ)の施策は、対応力の強化、丁寧な対応、ケアマネージャーとの連携、ほかSNSやチラシによる情報発信を行う。毎年10%ずつの成長を目指し、信頼される事業所づくりを目指す。
ライフケア事業部・メリーメイド事業部
(水野マネージャー)

ライフケアについては、現在、利用者の平均年齢は84歳。介護保険が使える立場でありながら、なぜ自費でライフケアに求めるのか、顧客ニーズの本質はどこにあるのか。「心に寄り添うことができるサービス」とはなにかを現場から日々感じる。2025年は団塊の世代が後期高齢者となる時期であり、ここから向こう5年で状況が大きく変わる。そのため、攻めと守りの両立が必要。
メリーメイドについては、なぜこの事業を立ち上げたか。ライフケア事業の経験から、サービスの届かない人々がいる現実を痛感。件数評価とは別の価値観で動けないか?という気づきがあった。真にサービスの価値を提供するには?と考えた。メリーメイド事業はライフケア事業との互換性が高いといえる。三和物流サービスの各事業ともつながる「点」になると考え、みんなをつなぐキューピッドになりたい。




アフターパーティ
3時間半以上に及ぶ、各事業部の経営計画発表を終えて、会場は立食形式の懇親会となった。冒頭、日豊運輸株式会社の多田社長が挨拶。あらためて、2025年の事業展開を皆で確認しあったことを確認し、これからの実行の大切さについて話す。ビュッフェを楽しみながら、それぞれ従業員同士の親睦を深める様子などがあり、終始リラックスしたムードで場も和む。
永年勤続者表彰では、長年の勤労に感謝を示すとともに、今後も事業を支える人員としての期待を込めて末光から激励の言葉と目録の授与を行った。(不在者は代理人にて目録を授与)










最後は、2025年と10年後の未来に向けた意志表明とともに集合写真を撮影し、発表会は穏やかに終了した。
